十津川警部 アキバ戦争 西村 京太郎

西村 京太郎氏の小説は今まで読んだ事は有りませんでしたが、秋葉原が舞台ということで読みました♪
ストーリーは別にして今のアキバやつくばエクスプレス沿線のことなどが書かれていて面白かったです。

「おたく」の3人組が活躍する設定になっていますが、秋葉原は戦後からそういうマニア(おたく)にリードされてきた街だと思います。
ラジオ、無線、TV、オーディオ、PCなどを手作りしたり楽しんで来た人たちとフィギュアやアニメをやっている人たちと本質はそう変わらないのでは・・・。
『アキバは変わった』とよく言われますが、私から見ればいつも変わって来たのが秋葉原でその変化に対応出来ない人には『変わった』と思えるのではないでしょうか?
量販店の価格競争でアキバの大型家電店が軒並みおかしくなっていますが、パーツ専門店は昔からの部品、最先端の部品をちゃんと棲み分けてしっかりしています。
私がいた頃、東大でロケット開発をした糸川英夫先生の話を聴いたことが有ります。
初めてロケットの開発をする時に予算が少ないので秋葉原で部品を購入したそうです。
その時相手をした店の親父は先生の仕様書を見て『こんな部品では駄目だから、こっちを使え』などと教えてくれたそうです。
当時の秋葉原は戦争から復員してきた無線や電機関係の人たちが多く、大学の先生にも指導出来る人がいました。
ヘルパーやバイトを使って安売り競争だけしか考えなかった“アキバの大型家電店”はそういうことを学ばなかったのですね・・・。