交通博物館の思い出


昔、秋葉原で博物館と言ったら「交通博物館」のことでした。
私は中学、高校の頃よく通いました。

万世橋駅が姿を消してから60年以上の歳月が流れ、1936(昭和11)年にかっての駅舎の基礎を利用して造られた交通博物館(当時は鉄道博物館)が2006年5月14日で閉館しました。

想像しにくいのですが、かってここは中央線の一大ターミナルとして存在していたのです。

初代の駅は、後に開業する中央停車場(現在の東京駅)と同じ辰野金吾、葛西方司( かさいまんじ)両氏の設計によるもので、中央停車場の習作ともいわれています。

万世橋駅は明治45年(1912)4月1日に開業。
広場に広瀬中佐と杉野兵曹長銅像を置き、駅舎内には1等2等待ち合い室・食堂・バー・会議室等が設置され堂々とした風格を備えていました。

大正3(1914)年に東京駅が開業し大正8(1919)年中央線の万世橋-東京駅間が開通すると万世橋駅は単なる途中駅となってしまい、さらに関東大震災で駅舎は火災に遭い、その後再建されるものの開業時とは比べ物にならない質素な駅舎となってしまいました。

交通博物館が現在の場所へ移って来たのは昭和11年(1936)4月15日で、その年の11月万世橋の駅舎は解体され、戦時中の昭和18年(1943)10月31日に廃止されます。


かっての万世橋駅のホームからお茶の水方面を見ます。

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